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CAR 2019.6.4 

アルピーヌA110。僕らはこんなスポーツカーを待っていた!

ENGINE名物、クルマ好きのためのランキング「エンジン・ホット100」。2位を圧倒的に引き離して令和初の1位に輝いたのは、現代に蘇った伝説のスポーツカー、アルピーヌA110だ。なんと11名の委員が1位に挙げるブッチぎりの強さ。こんなスポーツカーが出てくるからクルマ好きはやめられない!

「令和」初の栄冠はアルピーヌA110

このクルマが欲しい! はじめて実車を見て試乗したときにそう思った。そんなふうに直観的に思った選考委員はほかにもいて、今尾直樹さんは「私のためにつくられたクルマだ、ビビッと弱電流が走った。これが買えないのだったら人生の意味はどこにある?」と言い、大乗フェラーリ教の教祖、清水草一さんなどは「現代のスーパー・スポーツはすべていらん!アルピーヌA110があればそれでいい!」とまで言い切る。

瞬間的にクルマ好きの心を鷲掴みにする理由は、オリジナルのA110を現代の基準に上手く適合させたデザインにあることは言うまでもない。とにかくカッコいい。私をはじめとしてラリー好きにはたまらない魅力がある。これで「ワンメイク・ラリーしたい」という高平高輝さんは間違いなくラリー好きだ。

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しかし、恰好だけで1位になれるほどエンジンのHOT100は甘くない。A110は「"軽い"という素性の良さをルノー・スポールが完璧に調理」(新井一樹さん)した「コンベンショナルながら最高のシャシー性能」(石井昌道さん)を持ち、「ドライビングのアプローチによって自在に変えられるハンドリング特性」(松田秀士さん)を実現しているところが凄い。乗って驚くのは、ドライバーの腕次第でいかようにも走らせることができることだ。しかも「ポテンシャルは高いが決して気難しいところがなく」(島崎七生人さん)、「アマチュアでも振り回せる」(佐野弘宗さん)という懐の深さもある。渡辺敏史さんは「ミドシップの難しさを取り除き楽しさだけを抽出したかのような見事なシャシー・セットアップ」だと、チューニングを絶賛している。

発売と同時に完売し、抽選となった限定車のプルミエール・エディション。内装の仕立てはカタログ・モデルのピュアとほとんど同じだが、シートのバックレストにAマークが入るなど、細かいところに違いがある。限定車は左ハンドルのみの設定だった。
メーターの表示はノーマル(上の写真)、スポーツ、トラックの3つの走行モードに応じて変化する。フラットな床下とリア・ディフューザーと合わせて最大で275㎏ものダウンフォースを発生するというから凄い。

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そして一番大事なのは、藤原よしおさんが「誰がどんな状況で乗っても『楽しい』と感じた」ように、「明らかに速さではなく楽しさを基準に作られている」(斎藤聡さん)ことだろう。「サイズもパワーも足回りの限界も、すべてが公道で走るのにちょうどいいスポーツカー」だという大谷達也さんの言葉で思い出したのは、マツダ・ロードスターだ。ミドシップとFRという駆動方式こそ違うが、ライトウエイト・スポーツの楽しさという点では、2台はとても良く似ている。

「肥大化する欧州スポーツカー群の中にあって、まず愛しいのはボディのサイズ」と河村康彦さんが言うように、絶妙なサイズ感も支持される理由のひとつに違いない。値段はロードスターの倍以上だが、それでも「夢を叶えるギリギリの価格設定も素晴らしい」(山田弘樹さん)。

いまやスーパー・スポーツは600馬力オーバーが当たり前のようになっているが、その性能を存分に楽しめる場所はもはやサーキット以外にない。公道でその性能を試そうなんてもってのほかだ。比較的身近な存在だと思っていたポルシェのケイマン&ボクスターも、素のモデルはともかくオプションを加えるとアッという間に1000万円超えだ。なぜもっと性能も価格も身近で、普段乗りでも楽しく感じるクルマがないのか。桂委員はズバリこう言っている。「世界のスポーツカーに求められるすべてがこの1台に凝縮されている」と。僕らはA110のようなスポーツカーを待っていたのだ。

■全長×全幅×全高=4205×1800×1250㎜。ホイールベース=2420㎜。車両重量=1110㎏。1.8ℓ直4ターボは最高出力252ps/6000rpm、最大トルク32.6kgm/2000rpmを発生する。車両価格=790万円(ピュア)~

文=塩澤則浩(本誌) 写真=郡大二郎

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