2019.03.20

LIFESTYLE

こだわりガレージハウスで、スーパーカーとくつろぐ休日

大切なクルマと暮らせる終の住処をつくりたいが、信頼できるパートナーが見つからない。そんな施主の思いを叶えたのは、クルマを愛するプロスタイルデザイン代表との出会いだった。

愛車と過ごせる終の住処をもとめて

高低差や凹凸をつけながら、色あいの異なるグレーの壁を巧みに組み合わせたファサード。道路に面した駐車場のシャッターを上げると、そこには夫人のメルセデスAMGが置かれている。だが玄関の右奥にあるもうひとつのシャッターをくぐり抜けると、その先にはフェラーリ458スパイダーとランボルギーニ・アヴェンタドールが……。ご主人のために作られた"スーパーカーのガレージ"だ。


躯体は鉄筋コンクリート造で気密性の高い外断熱を採用した。敷地奥にあるのが、スーパーカー用のガレージ。


三重県の新興住宅地に建つH邸の住み手は、開業医であるご主人と夫人、そして3人の子供たち。普段は朝7時から夜10時まで働く多忙なご主人は、予てから、貴重な休日を愛車と過ごせる終の住処をつくりたいと考えていた。そのために約150坪の分譲地を購入したのだが、難航したのが建築設計事務所の選定。29社をまわった末、ようやく東京・南青山に本社を置くプロスタイルデザインにたどり着いたのだ。


建物正面にある普段使いの駐車場は、1階キッチンの近くから出入りできる。


クルマ好きの建築事務所との出会い

代表の古賀信寛氏が振り返る。「私が初めて現地に伺った時、ご主人が最寄り駅までトヨタのアルファードで迎えにきてくれたんです。その時、クルマに履かせていたのがBBSのホイールだった。いいですね、という私の一言で意気投合し、その後、2回のプレゼンで、躯体の設計からインテリアまでを任されました」


ガレージの右奥は、空間を広く見せるためにガラス張りになっている。
フェラーリ・レッドのチェアが置かれたご主人の書斎。

着工までの10カ月間、細かな打ち合わせを重ねた結果、スーパーカー用のガレージは、寝室や書斎からも見える位置に配置することにした。床や壁は室内と同クラスのタイル張りにし、エアコンも装備。ガレージをご主人がくつろげる、居住空間の一部として考えたのである。


白を基調としたLDK。乾燥対策として病院などで使用されている特殊な加湿システムを導入している。
真っ白な空間の中で、テレビを埋め込んだ壁だけ、外壁にも使っているグレーの壁を採用した。老後を考え、LDKや夫婦の寝室は1階にまとめた。2階にあるのは子供たちの部屋とプレイルームなど。
書斎から続く寝室。窓からもクルマを見ることができる。


「ご主人とはクルマ、夫人とは食の話題で、最初から自然に打ち解けることができた。やはり私の仕事の基本にあるのは信頼関係。依頼主と感覚的に通じ合えるというのは、とても大切なことです」(古賀代表)。最高の住まいは、施主と施工主の幸せな出会いによって生まれる、という好例である。

文=永野正雄(ENGINE編集部) 写真=プロスタイルデザイン



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