【8月14日 AFP】オーストラリアに生息する複数種の鳥類を調査した結果、誕生後に性別が変化した個体の割合が予想以上に高いことがわかった。こうした現象は、汚染の増加やその他の環境的要因が引き金となっている可能性がある。

調査対象は、コッカバラ、カササギ、ロリキートを含む同国に広く分布する5種。約500羽のDNA検査の結果、約6パーセントで染色体と生殖器官の不一致──一方の性の染色体を持ちながら、もう一方の性の生殖器官を備えている状態──が確認された。

サンシャインコースト大学の研究チームによると、これは予想以上に多くの鳥が誕生後に性別を変化させていることを示しているという。

「野生の鳥における性決定はこれまで考えられていたよりも流動的で、成体期まで続く可能性がある」と、研究の共著者ドミニク・ポトビン氏は述べた。

大半は、遺伝的に雌の鳥が雄の生殖腺を発達させるケースだった。

性別の変化は特定の爬虫類や魚類ではよく知られているが、野生の鳥類や哺乳類では稀とされている。科学者たちはこれまで、汚染物質や温暖な気温がカエルの性別を逆転させる事例を記録してきた。

野生の鳥における性別逆転の原因は明らかになっていないが、野生地域に蓄積するホルモン撹乱化学物質など、環境要因が関与している可能性があるという。

この研究成果は今週、査読付きの科学誌「バイオロジー・レターズ」に掲載された。(c)AFP