【8月14日 AFP】世界保健機関(WHO)は13日、今年1~7月の世界の麻疹(はしか)感染者数が昨年同期の3倍近くに増加したと明らかにした。

【関連記事】ワクチン忌避は「伝染病」、国連会合で対策強化呼び掛け

 はしかのウイルスは感染力が強いものの、2回の予防接種で完全に防ぐことができる。しかし、大衆の間に予防接種に対する反発もあり、WHOは接種率の低さに警鐘を鳴らしてきた。

 WHOによると、1〜7月のはしか感染者数は昨年の12万9239人に対し、今年は36万4808人だった。クリスティアン・リンドマイヤー(Christian Lindmeier)報道官はスイスのジュネーブで記者団に対し、この人数は「(公式統計上)2006年以降最も多い」と述べた。

 WHOによれば、世界的に見て、はしか感染が報告される割合は実際の感染者数の約10分の1にとどまることから、今回の感染者数は特に懸念される。

 今年1〜7月の感染者数は世界各地で昨年同期から急増しており、地域別の増加率はアフリカで900%(約10倍)、西太平洋で230%(約3倍)に上った。

 一方、米国で報告された感染者は昨年通年の372人に対し、今年はすでに1164人を記録。過去25年の最高に達している。

 また、欧州で今年報告された感染者は9万人近くで、昨年通年の8万4462人を大きく上回っている。(c)AFP