【6月15日 AFP】スイス各地で14日、男女間の賃金平等を求める女性たちがストライキを決行し、数十万人が参加した。参加者は紫の衣装を身に着け、ホイッスルを吹いたり、鍋や釜をたたいたり、フェミニストのスローガンを掲げたりしながら通りを行進した。

 スイスで男女間の賃金平等を求める全国ストが初めて実施されたのは、30年近く前の1991年のこと。16の労働組合を傘下に持つ主催者のスイス労働組合連合(USS)は、1991年のストから事態がほとんど改善していないと指摘し、女性は「より多くの時間、より多くの金、より多くの尊敬」を求めなければならないと訴えた。

 スイスでは、女性の賃金は男性と比較して平均20%低い。同国の国家統計局によると、同等の資格を持つ男女で比較しても、8%近くの賃金格差が残っている。

 スイスにおける女性の権利状況は、過去30年で幾分改善した。2002年には妊娠中絶が合法化され、2005年には14週間の有給の出産休暇が導入された。

 しかし、スイスでは父親の育児休暇は導入されていない上、保育所の利用料が高く、利用する機会が限られていることは、女性を労働市場に統合する上で大きな障害になっていると認識されている。(c)AFP/Nina LARSON