■「できることは何でもする」

 マニラ首都圏では2004年以降、井戸の新設が一時禁止されている。だが国全体でこの禁止を徹底させ、また既存の違法な井戸を封鎖する任務を負っているのは、国家水資源評議委員会(National Water Resource Board)とそのスタッフ約100人だ。同委員会のセビリョ・ダビド(Sevillo David)委員長はAFPに対し、人的資源が不足していると語った。

 1985年以降、マニラの人口がほぼ倍増し、国の経済規模も約10倍に拡大したことに伴い、水の需要も急上昇した。爆発的な成長により、特に首都の北方地域での農業と製造業で膨大な水の需要が生じたためだ。

 それでもパリアハンに残った住民らは、彼らが故郷と呼ぶ場所にとどまれるよう、できることは何でもしている。サンホセさんは「毎年、家(の床)を高くしている。今では頭が天井につきそうだ」と語った。(c)AFP/Joshua MELVIN