■経済成長による「昏睡」

 現在、共産党当局の標的とされているもう一つの集団は、マルクス主義の学生らだ。ある労働運動を支持した昨年以降、多数の学生が拘束されたり消息不明になったりしている。

 2018年に習氏の任期上限を撤廃する改憲案が可決されたことに対し批判的な公開書簡を書いて以来、監視下に置かれている「中国青年報(China Youth Daily)」の元編集長、李大同(Li Datong)氏は、大学などリベラルな空間で教えたり、討論されたりしている内容に対して厳しい取り締まりがなされており、1989年のような「思想運動」が再び起こることは「不可能」になっていると指摘する。

 李氏はまた、天安門事件のような激動が新たに中国で起こり得ない二つ目の理由も挙げている。

「今の世代は自己中心的でもある。中国の経済成長によって、昏睡(こんすい)状態に陥っているからだ」「理想主義者だった1980年代の学生たちとは比べものにならない」 (c)AFP/Poornima WEERASEKARA