【4月30日 AFP】インドネシアのバンバン・ブロジョネゴロ(Bambang Brodjonegoro)国家開発企画庁長官は29日の閣議後、ジャカルタから首都を移転する計画がジョコ・ウィドド(Joko Widodo)大統領に承認されたと明らかにした。

 ジョコ大統領は、同国の島で最も人口が多いジャワ(Java)の外に首都を移すことを支持しているが、移転の実現は何年も先になる可能性がある。

 ジャカルタ首都圏の人口は現在約3000万人に上り、市街地の無秩序な拡大が続いているほか、交通渋滞が世界最悪の水準にある。また、ジャカルタは低地にあるために毎年のように洪水が発生する上、地下水の過剰採取によって世界的に見ても顕著なペースで地盤沈下が進行。渋滞と洪水に関連する同市の経済損失は例年数十億ドル(数千億円)に上っている。

 ジャカルタから政府機能を移転する構想は数十年前から提起されてきたが、計画は長期にわたり停滞していた。
 
 ジョコ大統領は閣議に先立ち、首都移転構想への支持を表明したが、移転の候補地や時期は示さなかった。国内報道によれば、ボルネオ(Borneo)島のパランカラヤ(Palangkaraya)が移転先となる可能性がある。

 政府機能が移転した後も、ジャカルタは金融中心地としての機能を維持する見通し。(c)AFP