【4月20日 AFP】マレーシアのマハティール・モハマド(Mahathir Mohamad)首相は19日、2017年に中断されていた首都クアラルンプールでの大型再開発事業「バンダル・マレーシア(Bandar Malaysia)」を再開すると発表した。

 事業規模は総額1400億リンギット(約3兆8000億円)。マハティール氏は、同事業は中国政府が進める世界規模のインフラ開発構想「一帯一路(One Belt One Road)」に寄与するとの見方を示した。

 両国は今月、マレーシアの東西を結ぶ鉄道建設事業の凍結解除でも合意しており、不安定化していた二国間関係の改善を示す動きが相次いでいる。

 マレーシア首相府が出した報道声明は、バンダル・マレーシアにより金融機関や企業の誘致が期待されるほか、複数の鉄道路線の乗り換え駅ができると説明。さらに、事業計画が当初から一部変更され、手頃な価格の住宅1万戸や「大衆の公園」を建設することが盛り込まれたと明らかにした。

 この事業は2011年、ナジブ・ラザク(Najib Razak)前政権下で開始されたが、事業費の支払いをめぐる問題が浮上したことで同政権時代の2017年に中断された。

 ナジブ前首相は昨年の歴史的な選挙で政権を失った後、マレーシア政府系ファンド「ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)」での不正利得疑惑をめぐり数十件の罪で起訴されている。

 バンダル・マレーシアの出資比率は、マレーシア企業と中国の国有企業「中鉄工程(China Railway Engineering Corp)」の合弁会社が60%、マレーシア政府が40%。

 声明は、バンダル・マレーシアと凍結が解除された鉄道建設事業について、「長期的なマレーシア・中国関係の発展・強化という大きな文脈の中で見るべき」だと指摘。さらに、両事業は「一帯一路構想に大きく寄与する」ものだとし、マレーシアは同構想から利益を得られるとの見通しを示した。(c)AFP