■「ひまわり」も爆発の様子を撮影

 今回の事象は、大気圏内での爆発としては、2013年にロシアの都市チェリャビンスク(Chelyabinsk)上空で火球が爆発して以来、最大の威力があった。チェリャビンスクの爆発のエネルギーは440キロトンで、1500人の負傷者を出したが、その多くは衝撃で割れて飛び散った窓ガラスが原因だった。

 科学者らは18日、米テキサス州で開催された月・惑星科学会議(Lunar and Planetary Science Conference)で今回の事象を取り上げた。

 英オックスフォード大学(Oxford University)の気象学者で、衛星データの専門家サイモン・プラウド(Simon Proud)氏は今回の事象に関する英国放送協会(BBC)の記事を読み、日本の気象衛星「ひまわり(Himawari)」が収集した画像を調べることにした。プラウド氏の研究所は、ひまわりのデータを常時追跡している。

 すると、思った通り、ひまわりはちょうどいい時にちょうどいい場所にいたと、プラウド氏はAFPの取材に語った。

 プラウド氏は、爆発の様子を捉えたひまわりの衛星画像を自身のツイッター(Twitter)に投稿した。海と雲の上にあるオレンジ色の火の玉のように見えるものは、実際には太陽光に照らされた流星塵(じん)の雲だと、ブラウン氏は説明した。

 NASAのカーティス・トーミ(Kurtis Thome)氏が19日、AFPのインタビューに応じたところによると、NASAの地球観測衛星に搭載された中分解能撮像分光放射計(MODIS)も、この流星塵の雲を撮影していた。

 フランス南部コートダジュール(Cote d'Azur)にある天文台の研究部長で、小惑星専門家パトリック・ミシェル(Patrick Michel)氏は「これは驚くことではない」と話す。

 ミシェル氏は、「今回の出来事は、このような多数の天体がわれわれの頭上を通過していて、そのことをもっと心配した方がいいということを気付かせてくれた」と語った。

「人類が直面している自然の危険の中では最も起こりそうにない危険ではあるが、それでも実在する危険であり、長期的には実際に起こることだということを覚えておかなければならない」とミシェル氏は指摘した。

 今回飛来した小惑星は直径が約10メートルだったが、地球にとって最も危険性が高いのは150メートルを超える天体とされている。(c)AFP/Ivan COURONNE with Pascale MOLLARD in Paris