【2月8日 AFP】今週、インド洋の未知の深海を探査するプロジェクトが始まった。深海に暮らすあまたの新種の海洋生物の発見や、海底に沈んだプラスチックごみが海に与える影響の解明が期待されている。

 探査プロジェクトは英国を拠点とする海洋調査機関「ネクトン(Nekton)」が主導し、3月からは西インド洋のセーシェル(Seychelles)沖でインド洋の環境調査のため、複数の潜水艇が水深3000メートルまで潜る予定。

 探査チームに参加している英オックスフォード大学(University of Oxford)のアレックス・ロジャーズ(Alex Rogers)教授によると、「今回のプロジェクトは水深30メートルから3000メートルに焦点を当てている。生物の多様性が最も豊かな場所だ」「インド洋の深海はほとんど調査されていない。そこに何があるのかまったく分からない」という。

 ロジャーズ氏は「潜れば潜るほど、より多様な生物を発見できるだろう。多くの新種を発見できると確信している」と語り、サンゴを含む100~1000種の新種の海洋生物の発見に期待を寄せた。

 さらに「インド洋は魚の乱獲や海洋汚染、気候変動から深刻な水質劣化に陥っている。インド洋の海洋生物の分布について理解することは極めて重要であり、それによってインド洋を管理するためのより良い決定を下すことができる」と強調した。

 また、ネクトンの理事で海洋保護活動家のエミリー・ペン(Emily Penn)氏は探査について、深海に沈んだプラスチックごみの影響を浮き彫りにすると指摘。

 ペン氏は「毎年800万トンものプラスチックがインド洋に流れ込んでいる」「大半が沈んでいるとみられるが、実際行ってみなければどれくらいの量が沈んでいるか分からない」と述べ、探査の意義を強調した。(c)AFP/Robin MILLARD