【2月6日 AFP】地球の北磁極の位置が従来をはるかに上回る速度で移動しているため、スマートフォンなどのナビゲーションシステムなどで利用されている世界磁気モデル(World Magnetic Model)は今週、予定を1年前倒しして更新された。

 北磁極とは、地球の磁力線が垂直に落ちる地点のこと。世界磁気モデルは、航海や軍用ナビゲーション、そしてスマートフォンに不可欠なものだ。

 米海洋大気局(NOAA)国立環境情報センター(National Centers for Environmental Information)によると、世界磁気モデルは通常5年ごとに更新されるが、「北極地方における予期せぬ変化のため」1年前倒しして更新された

 北磁極は1831年、カナダ北部で発見された。研究者らによると、北磁極は長らくカナダを小刻みに動き、ほとんど移動しなかったが、今では1年に55キロ移動しているという。

 地球の磁場は主に、地下3000キロメートルにある地球の外核を構成する液体の鉄の運動によって発生している。この運動は地磁気逆転を引き起こすものだが、最近、北磁極の移動が加速している原因は謎に包まれている。

 このため、NOAAと英地質調査所(British Geological SurveyBGS)は2019年末の予定を前倒しして、世界磁気モデルを更新せざるを得ない事態となった。(c)AFP