【2月5日 AFP】女性の脳は代謝面で男性の脳よりも平均で約3歳「若い」とする研究成果を、米セントルイス・ワシントン大学(Washington University in St. Louis)の研究チームが4日、米科学アカデミー紀要(PNAS)に発表した。女性の方が男性よりも平均寿命が長く、認知機能の衰えが遅い傾向を説明できる可能性があるという。

 研究では20代から80代の女性121人と男性84人を対象に、PET(陽電子放射断層撮影)によって脳内の酸素とブドウ糖の代謝を測定。機械学習アルゴリズムを用いて解析したところ、全年代で女性の脳の代謝年齢が男性よりも若いことが分かった。

 論文の筆頭執筆者である同大医学部のマヌ・ゴヤル(Manu Goyal)助教授(放射線医学)は研究結果について「男性の脳の方が老化が速いということではない」とした上で、男性の脳の代謝年齢は「成人した段階で女性よりも3歳高く、その差が生涯を通じて維持される」と説明した。

 同氏は「女性に年を取ってから認知機能の衰えがそれほどみられない理由も、女性の脳の方が実質的に若いことから説明できるかもしれない」と述べている。(c)AFP