【12月26日 AFP】欧州では1916年以来、年に2回、夏と冬に時計の針を進めたり戻したりすることが恒例となってきた。これは元々、省エネ政策として考案されたものだった。しかしここ数年、多くの国々がサマータイム(夏時間)を廃止。欧州連合(EU)も近々、欧州議会(European Parliament)で加盟諸国に対してサマータイムの廃止を提案することを明らかにしている。(※この記事は、2018年9月3日に配信されました)

 サマータイムを1784年に思い付いたのは、米政治家ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)だったと今日では考えられている。フランクリンは、当時のフランスの日刊紙ジュルナル・ド・パリ(Journal de Paris)に、ろうそくを節約するため一日の始まりを1時間遅らせたらどうかと同国民に呼び掛ける風刺に満ちたエッセーを寄稿した。

 夏に時計を1時間早め、冬に戻すという制度を1916年に採用したのは、ドイツ帝国とオーストリア・ハンガリー帝国で、第1次世界大戦(World War I)中に電力を節約するためだった。同年には、大英帝国とフランスもそれに倣った。

 サマータイム制の裏にあった主な目的は、活動時間を太陽が出ている時間に合わせることによって照明の使用を減らすことにあった。

 欧州の多くの国々や米国では、第1次世界大戦後から第2次世界大戦(World War II)前までは農業関係者からの圧力によって中止されていたが、1970年代のオイルショックをきっかけに再び導入されるようになった。

 1998年からは、サマータイムの開始日(3月の最終日曜日)とウインタータイムの開始日(10月の最終日曜日)がEU域内で統一されている。

 年2回の時間変更は、カナダや米国(一部の州を除く)、メキシコ、ヨルダン、ニュージーランド、レバノン、イスラエル、キューバなどで行われている一方、モロッコを除くアフリカ諸国やアジアの多くの国々では行われていない。