【11月20日 AFP】国連(UN)が「世界トイレの日(World Toilet Day)」と定める19日、インド各地で下水管の清掃に素手で当たる掃除人が、年間数百人も命を落としているという悲惨な現状に終止符を打つべく、同国のNGOが新兵器を披露した。

 インド各地の都市では、主に下層カースト出身者など多数の人々が、下水管にたまった汚物を取り除くという世界で最も汚い仕事の一つに従事している。

 非営利組織スラバ・インターナショナル(Sulabh International)によると、過去3年間で1300人以上が命を落としており、その死因の大半が窒息死だという。

 作業者は防具やマスクなどを使用せず、素手で排せつ物をかき出すことが多いため、「手作業の清掃人」と呼ばれている。

 同NGOが送り出したこの装置は、下水管とタンクに高圧水を注入し、地上から操作する機械仕掛けのバケツで排せつ物を収集する。

 同NGOの創設者であるビンデシュワル・パタック(Bindeshwar Pathak)氏は、人間を下水管に押し入れるのは「卑しめる」ことであると説明。

「下水管の作業者が命を落とすという痛ましいニュースをたびたび耳にする」「この装置は安全に排せつ物を除去することが可能であり、手作業による清掃は徐々に不必要になるだろう」と述べ、「この装置によって下水管で亡くなる人がいなくなることを願っている」と語った。(c)AFP