【8月1日 AFP】経済危機に見舞われている南米ベネズエラの首都カラカスで7月31日、大規模な停電が起き、全体の8割に当たる利用者への電力供給がストップした。これにより、交通や通信が大混乱に陥った。

 地下鉄や信号機への電気が止まり、市内では交通渋滞が発生。近郊のマイケティア(Maiquetia)にあるシモン・ボリバル空港(Simon Bolivar Airport)も影響を受けた。

 同空港で国際便の搭乗待ちをしていたエステファニア・フレイレ(Estefania Freire)さんは、「出国手続きに40分も待たされている。携帯電話はつながらないし、インターネットも使えない」とこぼした。

 ルイス・モッタ・ドミンゲス(Luis Motta Dominguez)電力相は「復旧に取り組んでいる」と述べている。

 停電はベネズエラでは日常的に起きており、特に内陸の地方部で頻発している。石油資源が豊富な西部スリア(Zulia)州でも電気は割り当て制になっており、停電が12時間続くこともある。

 ベネズエラは長引く経済・政治危機の影響で電力や水道、運輸など多くの公共サービスが破綻しているほか、食料・医薬品不足にも直面している。

 ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は7月30日夜、与党・統一社会党(PSUV)の集会で「これまで試してきた生産モデルは失敗した。責任は私やあなた方を含むわれわれにある」と認め、解決策がほしいと訴えた。(c)AFP