【7月31日 AFP】インド当局は30日、北東部アッサム(Assam)州の住民400万人から市民権を事実上剥奪した。これにより大量のイスラム教徒が国外追放される懸念が生じている。

 新たに作成された国民登録簿の暫定版には、バングラデシュ独立戦争で数百万人がアッサム州に流入した1971年以前に同州在住であったことを証明できる人とその子孫しか記載されていない。

 同州最大都市グワハティ(Guwahati)で記者会見を開いたシャイレシュ(Shailesh)登録長官によると、登録申請した3000万人以上のうち、400万人超が暫定版の登録簿から排除された。

 ただし同長官は、「正統な市民であれば、最終版に登録される十分な機会が与えられるため、心配無用だ」と強調。異議申し立ては来月30日から受付を開始し、登録簿の確定版は今年12月に作成される予定だとしている。

 ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相が率いる人民党(BJP)は2016年の選挙で、イスラム教徒の多いバングラデシュからの不法移民追放と先住民らの権利保護を約束し、同州での勝利を勝ち取った。

 同国で国民登録が行われるのは、人口の3分の1がイスラム教徒のこのアッサム州のみ。制度の導入をめぐっては、少数派の犠牲の下で多数派のヒンズー教徒を支援する右派政府の狙いがあるという批判も上がっている。(c)AFP