■「テクノロジーで快適に」

 一方で、チップ移植の第一人者を自認する移植専門家のユアン・ウステルンド(Jowan Osterlund)氏は、データ悪用や陰謀説についての懸念を一蹴する。

 同氏は、もしもわれわれがすべての個人情報を携帯しているとしたら、もっとうまく使用をコントロールできるはずだと反論。リバートン氏とは正反対の見解を主張した。

 移植チップというテクノロジーが今後どのように発展していくか、その問いに対する答えはまだ出ていないが、一部のユーザーたちは、未来的な経験を先取りできるという魅力に強く引き付けられている。

 ウステルンドさんが首都ストックホルムで主催した「移植パーティー」では、好奇心旺盛な30代前後の若者に交ざって、ごま塩頭のアンデシュ・ブランフォス(Anders Brannfors)さん(59)の姿があった。

 自分自身がバージョンアップしたことに大喜びのブランフォスさんだが、移植後数週間が経った今も、チップの使い道はまだ見つかっていない。(c)AFP/Camille BAS-WOHLERT