プラスチックを消化分解する酵素、研究過程で偶然作製 米英チーム
このニュースをシェア
■別の酵素のクチナーゼに似ている
米サウスフロリダ大学(University of South Florida)とブラジル・カンピナス大学(University of Campinas)の科学者らが実施したコンピュータモデル化により、ペターゼが真菌や細菌にみられる別の酵素のクチナーゼに似ていることが示された。
ペターゼにはクチナーゼと少し異なる部位があり、研究チームはこれがペターゼによる合成樹脂の分解を可能にする部位だとする仮説を立てた。そこで研究チームは、ペターゼの活性部位をクチナーゼにより近い構造になるように変異させたところ、この変異酵素が天然のペターゼよりも優れたPETの分解能力を持つことを予期せず発見したという。
研究チームは現在、この変異酵素をさらに改良する研究に取り組んでおり、最終的にはプラスチック分解の産業的利用にまで用途が拡大することを期待しているとしている。
論文の執筆者で、ポーツマス大生物科学科のジョン・マクギーハン(John McGeehan)教授は「基礎科学研究では、セレンディピティー(予想外の発見)が重要な役割を果たすことが多い。今回の発見もその例外ではない」とコメントした。(c)AFP