【3月30日 AFP】オランダ政府は、北部フローニンゲン(Groningen)州で被害をもたらす地震が頻発していることを受けて、同州にある欧州最大の天然ガス田におけるガス生産を大幅に縮小し、2030年までにはガス田を完全に閉鎖する。マルク・ルッテ(Mark Rutte)首相らが29日、発表した。

 ルッテ首相は記者会見で、「ガス生産を今後4~5年間に120億立方メートルまで減らし、その後10年間で最終的にゼロにする」と述べた。

 またエリック・ウィーベス(Eric Wiebes)経済・気候政策相は、「120億立方メートルの水準でも安全ではない。ガス生産はきっちりゼロまでにならなければならない」と述べ、フローニンゲンのガス田からのガス採取は2030年までに中止すると言明した。

 このガス田における現在の生産量は約216億立方メートル。これは昨年4月に定められた量で、2013年の539億立方メートルから既に劇的に縮小されている。

 フローニンゲンの住民らは、これまでに発生した一連の小規模な揺れで家屋や学校、教会や農場などが被害を受けたことから、ガス生産の中止を要求していた。

 マグニチュード(M)の低い地震が発生するのは、大規模なガス採取によって地下に巨大な空洞が生じることが原因とみられている。(c)AFP