【3月8日 AFP】血液中のビタミンDの濃度が高いと、ある種のがんを発症するリスクが低下する可能性があるとの研究結果が8日、英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)に発表された。日本の成人を対象とした今回の研究について、ビタミンDにがん予防効果があるとの仮説を裏付ける結果だと研究チームは報告している。

 日光に当たると皮膚で生成されるビタミンDは、骨の健康に良いことが広く知られている一方、慢性疾患や一部のがんに対する予防効果を示唆する科学的根拠も見つかっている。だが、これまでの研究は主に欧州と北米の人々を対象に行われていた。

 人種によって体内に自然に蓄積されるビタミンDの量には差があるため、日本の共同研究チームは今回、国内の40~69歳の男女3万3736人の健康診断記録を分析。ビタミンDの血中濃度別に4グループに分け、アジア人においてもがんリスクが低下するかを調べた。

 平均16年間の追跡調査の結果について、年齢、体重、喫煙の有無、アルコール摂取量などのがん関連リスク要因を調整したところ、全体として血中ビタミンD濃度が高いとがんリスクが男女とも20%低下することが分かった。

 部位別では、肝臓がんのリスクが最大50%低下し、特に男性で顕著な低下が見られた。(c)AFP