【12月26日 AFP】台湾国防部(国防省)は26日、2017年版の国防報告書を発表し、中国による度重なる軍事演習が台湾の安全保障にとって「甚大な脅威」となっているとの見解を示し、中台関係において緊張が高まっていることを強調した。

「一つの中国」原則を認めることを拒否している蔡英文(Tsai Ing-wen)氏が昨年総統に就任して以降、中国政府は台湾周辺での軍事演習を増加させており、地元メディアの推計によると、台湾周辺での中国軍戦闘機の演習は2016年の8回に対して、今年は少なくとも20回行われたという。

 今回の報告書で馮世寛(Feng Shih-kuan)国防部長(国防相)は、頻繁な演習が「台湾海峡(Taiwan Strait)の安全にとって甚大な脅威を生み出している」と明言した。

 また、報告書はダビデ(David)とゴリアテ(Goliath)の戦いのような中台間の戦力の大きな格差にも言及し、中国軍の急速な軍備の増強に直面する中、台湾軍が「複数の抑止戦略」に対応する必要があると指摘。報告書の推計によると、台湾軍の兵員数がおよそ21万人であるのに対し、中国軍は200万人近くに上るという。

 馮氏は「中国の防衛費や軍拡は台湾と比較にならない」との考えを示した。(c)AFP