【11月6日 AFP】英スコットランド(Scotland)沖で先月、世界初とされる浮体式洋上風力発電所が運転を開始した。海岸からの景観を損ねない深海の海域での風力発電の可能性を広げるとして注目されている。

「ハイウインド(Hywind)」と名付けられたこの発電所は、アバディーンシャー(Aberdeenshire)の沖合25キロに建設され、総発電量は30メガワット。約2万世帯に電力を供給する。ノルウェーの石油・天然ガス大手スタトイル(Statoil)が、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ(Abu Dhabi)を拠点とする再生可能エネルギー企業、マスダール(Masdar)と共同で運営している。

 民家や景観が美しい場所に近い海域での洋上風力発電所の建設にはしばしば住民らから反対の声が上がるが、アバディーンシャーでも、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が、完成すれば自身が所有するゴルフ場から見えることになる風力発電用タービンの建設を阻止しようと、英国の裁判所に申し立てていた。

 さらに沖合の外海に洋上風力発電所を設置する技術は、今後の風力発電開発の加速につながる可能性がある。(c)AFP