■画期的な治療法

 ノバルティス腫瘍学部門を統括するブルーノ・ストリジニ(Bruno Strigini)氏によると、T細胞の輸注が行われるのは一度のみで、治療費は47万5000ドル(約5240万円)だという。

 最初の1か月以内に治療への反応がない患者には、治療に対する支払いは発生しない見通しだとストリジニ氏は説明した。

 CTL019は、米ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)のカール・ジューン(Carl June)氏が初めて開発した。CTL019で最も注目を集めた患者は、現在12歳になるエミリー・ホワイトヘッド(Emily Whitehead)さんだ。

 彼女は6年前、当時は危険な治療法と広く考えられていたCTL019治療を受けた初の子どもの患者となった。

 ホワイトヘッドさんはそれ以降、がんがない状態を保っている。

 米国ではまず、医療施設20数か所でキムリアを希望する患者への治療が可能になるとみられ、年内には35の施設が稼働する見通しだ。

 ノバルティスによると、再発性または難治性のALLの25歳以下の適応条件に合う患者は、米国内に約600人存在するという。(c)AFP/Kerry SHERIDAN