■受粉媒介者の40%が絶滅危機

 論文の共同執筆者で、カナダ・ゲルフ大学(University of Guelph)のナイジェル・レイン(Nigel Raine)氏は「これらの殺虫剤はハナバチに破壊的な影響を及ぼす恐れがある。その他の生物種への影響についてもより多くの情報を収集することが急務だ」と話している。

 約2万種に上るハナバチは、世界の主要作物107種のうち90%以上で受粉を担っている。

 国連(UN)は2016年、受粉を担う無脊椎動物、特にハナバチやチョウなどの受粉媒介者の40%が地球規模の絶滅の危機に陥っていると発表した。

 ハチが大量に失踪する現象、いわゆる「蜂群崩壊症候群(CCD)」をめぐっては、ダニやウイルス、菌類、殺虫剤、あるいはそれらの複合要因が原因と指摘されている。(c)AFP/Marlowe HOOD