【3月14日 AFP】親たちよ、勇気を出そう。もしあなたが睡眠不足や幼児のかんしゃく、10代の子どもたちに対する悩みを乗り越えられれば、子どものいない人々よりも長生きできるという褒美がもらえるかもしれない。こう主張する研究論文が14日、発表された。

 疫学と地域保健の英専門誌「Journal of Epidemiology and Community Health」に掲載された論文によると、子どもがいる人と子どもがいない人とを比べた場合の寿命の差は女性よりも男性の方が大きく、その傾向は高齢者で高かったという。

 研究チームは、スウェーデンで1911~1925年に生まれた男女、計140万人以上を対象に生存期間についての追跡調査を行い、さらに対象者の結婚歴や子どもの有無についてのデータも収集した。

 その結果、子どもが1人以上いる男女は子どものいない人に比べて「死亡リスクが低い」との結論に至ったという。研究チームは「60歳時点での(子どものいない人との)平均余命の差は、男性で2年、女性で1.5年だった」としている。

 80歳時点の平均余命は、子どもがいる場合は男性が7年8か月、女性が9年6か月だったのに対し、子どもがいない場合は男性が7年、女性が8年11か月だった。

 研究チームは、論文は単に相関関係を指摘しただけであり子どもを持てば寿命が延びると結論付けることはできないことを認めたが、親は老後に子どもから社会的、経済的援助を受けられることもあるが、子どものいない人にはそうした機会がないと理論づけた。

 論文は、子どものいない人は子どものいる人に比べて不健康なライフスタイルになる傾向があることも指摘した。(c)AFP