【3月13日 AFP】英国のEU離脱(ブレグジット、Brexit)によって欧州連合(EU)懐疑論や反移民感情が急速に高まる中、オランダでは15日、総選挙が行われる。オランダでの選挙結果は、今年予定されているフランスやドイツでの選挙の行方を占うものとなる。

■オランダ:記録的な得票数を目指す極右・自由党

 オランダの総選挙では、反イスラムを掲げる極右・自由党(PVV)のヘルト・ウィルダース(Geert Wilders)党首と中道右派の自由民主党(Liberal Party)を率いるマルク・ルッテ(Mark Rutte)首相の一騎打ちとなるとみられている。

 世論調査では、反EU、反イスラムを掲げるPVVが2006年の結党以来最多の得票数を獲得する可能性が示されている。

 次期政権も連立となる見方が強いが、ほぼすべての政党がPVVとの連立をしないと明言しているため、必ずしも同党が政権の一部を担うとは限らない。

 扇動的な政治家であるウィルダース氏は、モスク閉鎖やコーランの禁止、国境封鎖、そしてオランダが創設に関わったEUからの離脱を公約に掲げている。

■フランス:ルペン氏との一騎打ち

 フランス大統領選は、トップを走る候補らのスキャンダルが次々と明るみに出る中、反移民、反EUを掲げる極右政党「国民戦線(FN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首がドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と同様に番狂わせを演じる可能性があり、その状況は目まぐるしく変化している。

 仏大統領選の第1回投票は、4月23日に実施される。この時に過半数を獲得する候補者がいない場合には、上位2名による決選投票が5月7日に行われる。

 一時は最有力候補と目されていた中道・右派候補のフランソワ・フィヨン(Francois Fillon)元首相(63)だが、妻への不正給与疑惑をめぐり逆風に立たされている。

 この影響を受け、世論調査では、中道・独立系候補のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)前経済相とルペン党首が決選投票に進む可能性が示された。

 ルペン党首は決選投票で敗れるとの見方が強い。それでも人々の注目は、昨年11月の米大統領選でのトランプ氏勝利の再現を狙うFNに集まっている。フランスでの世論調査やメディアの反応は昨年の米大統領選の時と酷似している。