■発生源は「近くにはない」

 最近まで、多くの専門家らは、恒星が爆発して超新星になったり、中性子星が崩壊してブラックホールに変化したりなどの激変的な事象によってFRBが発生するとの仮説を立てていた。

 このような1回限りのシナリオでFRBが生じる可能性もあるが、FRB 121102が生成するような複数回のパルスは、これらのどの仮説シナリオにも合致しない。

 今回の最新観測データにより、広く議論されているもう一つの可能性も排除されると、カナダ・マギル大学(McGill University)のシュリハーシュ・テンドルカール(Shriharsh Tendulkar)氏は説明する。

「FRBまでの距離が判明するまでは、その発生源に関して提案されたいくつかの説明では、太陽系のある天の川銀河(Milky Way)の内部または近くからFRBが発せられている可能性があるとされていた」とテンドルカール氏は話した。

 そのような近くの発生源は、少なくとも今回のケースでは、排除できる。

 論文の共同執筆者で、米カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)の天文学者のケーシー・ロー(Casey Law)氏は「それ(発生源)は、われわれのすぐ近くにはない」と述べた。

 それでもまだ、推測の余地は残る。

 最有力候補の一つは、超新星爆発で放出された物質に包まれている中性子星、おそらくは「マグネター」として知られる種類の星だと、研究チームは示唆している。

 小型だが極めて高密度の中性子星は、爆発してブラックホールを生成するほどの質量を持たない恒星が重力崩壊して形成される。

 マグネターは中性子星の一種で、極めて強力な磁場を持っている。(c)AFP/Marlowe HOOD