【11月13日 AFP】高額紙幣の廃止決定をめぐり国民の怒りが高まるインドで、アルン・ジャイトリー(Arun Jaitley)財務相は12日、新紙幣に対応させるための現金自動預払機(ATM)の調整は数週間を要すると語った。

 廃止されたのは500ルピー(約800円)札と1000ルピー(約1600円)札の2種類で、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相が8日、汚職や脱税の対策として、9日午前0時(日本時間同3時半)以降は法定通貨としての効力を失う、と発表した。この影響で国内各地の銀行には、この2種類の紙幣の交換を求める人々の長い列が3日連続できている。国内のATMの多くは11日に停止し、サービスを継続していたATMも大勢の人々が利用したため、たちまち現金がなくなった。

 ジャイトリー財務相は技術的な問題を理由に、ATMが新デザインの500ルピー札と新2000ルピー(約3200円)札を取り扱えるようになるのは数週間後だと説明。首都ニューデリー(New Delhi)で記者団に対し、「技術的に調整に約2~3週間かかる。中央制御を切り替え、約20万台の機器を個別に変更する必要がある」と述べ、「新紙幣はサイズが違うので、機器の調整は時間をかけて行われている」と付け加えた。

 また、ジャイトリー財務相は不安を抱える国民に対し、中央銀行には十分な通貨があり、新紙幣を流通させるよう最善を尽くしていると述べた。

 銀行での長蛇の列と人々の混乱は、政府がなぜ問題を早期に解決しなかったのかと疑問を持つ人々の怒りを招いている。(c)AFP