【10月28日 AFP】パキスタンの警察当局は27日、いわゆる「名誉殺人」でカラチ(Karachi)東部に住む夫婦を殺害したとして、男6人を逮捕したと発表した。パキスタンでは今月、家族の名誉を守るとの名目で女性が身内に殺害される「名誉殺人」を違法化する法律を政府が議会に提出し、可決されたばかり。

 被害者のうち妻は前夫と離婚した後、カラチ西部の実家から逃げ、1年前に今の夫と結婚していた。

 警察によると容疑者らは、前夫とその親族も出席する長老会議「ジルガ(jirga)」を開き、被害者2人を死刑と決定。2人の首を絞めて殺害した後、墓地に埋めたとされる。ジルガの開催はパキスタンでは違法。容疑者らは25日に逮捕されたという。

 パキスタンでは毎年およそ1000人が「名誉殺人」の犠牲となっており、被害者の大半は女性。これまでは被害者の親族が許せば無罪になるという「法の抜け穴」のため、加害者が放免されることが多かったが、今月初めに可決された法律では、たとえ被害者親族が加害者を許しても加害者に終身刑が科されることになった。(c)AFP