【10月19日 AFP】流産を繰り返す「習慣性流産(RSA)」のリスク増大に、特定の遺伝子変異が関わっているとする研究結果が19日、発表された。該当する女性への診断と治療に寄与することが期待される。

 英国王立協会(Royal Society)のオープンアクセスの学術誌「オープンバイオロジー(Open Biology)」に掲載された国際チームの論文によると、実験用マウスで、この流産に関連する遺伝子「FOXD1」が最初に特定されたという。研究チームはその後、RSAの症状がみられる556人の女性に、同一の遺伝子変異があるかを調べた。

 RSAは、妊娠5週目までの流産を3回以上繰り返してしまう状態を指す。妊娠100件につき1件ほどが該当する。

 研究では、対照群として非RSAの女性271人との比較を実施。その結果、「FOXD1に変異がみられる女性は、RSAリスクが統計的に高いことが分かった」と研究チームは明らかにした。

 その一方で、流産歴のない対照群の女性の中に1つの変異を発見したが、これについては防御的な役割があることが推測されるという。

 FOXD1は、繰り返す流産に関連する遺伝子として初めて特定されたものではないが、その関与を示す「機能的な証拠」は珍しいと研究チームは報告している。(c)AFP