【10月3日 AFP】世界銀行(World Bank)は2日、貧困に関する最新の報告書を発表し、世界人口の10.7%に当たる約7億6700万人が、1日1.90ドルの国際貧困ライン未満で暮らす「極度の貧困」状態にあるとの推計を示した。

 包括的なものでは最新となる2013年時点のデータをまとめた世銀の報告書「貧困の撲滅と繁栄の共有(Poverty and Shared Prosperity)」は、極度の貧困は全世界で着実に減っているが、2030年までに貧困を撲滅するという目標は、不平等な成長利益分配によって妨げられる可能性があると指摘。各国経済の底辺層に成長利益がより多く分配されなければ、貧困層は取り残されてしまうだろうと警鐘を鳴らした。

 報告書によると、2013年の貧困者数は、1990年と比較して約11億人減少。その間、世界人口は約19億人増加したという。

 極度の貧困状態にある人口は依然多いが、世界人口全体に対する割合では前年の12.4%よりも減少している。特に中国、インド、インドネシアでは、経済成長によって貧困層が激減した。

 一方、貧困層が集中しているのは依然、サハラ以南アフリカで、全人口の41%が極度の貧困状態にある。その多くが地方部に暮らし、教育を受ける機会がほとんどない。その他、地域別の極度の貧困者の割合は、南アジア15.1%、ラテンアメリカ・カリブ地域5.4%、東南アジア太平洋地域3.5%となっている。(c)AFP