【9月26日 AFP】フィリピン当局は26日、同国で初めて、胎児に影響を与えるジカ熱に妊娠中の女性が感染している例を確認したと報告した。

 ポーリン・ウビアル(Paulyn Ubial)保健相によると、フィリピン国内では今月に入り12件のジカ熱感染例が確認されているが、この中に妊娠19週目の第1子を身ごもる中部セブ(Cebu)島の女性(22)が含まれていた。

 保健省は「最初の超音波検査では胎児に異常はみられなかったものの、女性の経過を妊娠期間を通じて定期的に観察することになる」と述べた。

 確認された12例のうち8例は女性で、患者の年齢は9~55歳。全員、検査で陽性結果が出る前の1か月以内に渡航歴はなく、また全員すでに回復している。

 妊娠中の女性がジカ熱に感染した場合、出産する子どもには小頭症などの先天性障害が起きることがある。

 患者が発生した地域には、感染経路を突き止め、ウイルス対策を勧告するために特別チームが派遣されている。ジカウイルスは蚊を媒介とするか、性交渉を通じて感染する。

 ジカ熱については治療法もワクチンも開発されていない。科学者らは今月、ジカ熱の「世界的まん延」に備えるよう警告を発した。(c)AFP