【8月31日 AFP】アフリカ、アジア、中南米では、河川の汚染悪化により3億人以上の人々が健康リスクにさらされている他、多くの国では、漁業や農業にも脅威が及んでいる。国連が30日、報告書を発表した。

 国連環境計画(UNEP)によると、コレラや腸チフス、肝炎、下痢症などの水系感染性で、既に毎年約340万人が死亡している。

 報告書は、これらの病気の多くは人の排せつ物が河川に流れ込んでいることが原因だとしており、その解決には下水設備の増設だけでなく、廃水処理も必要と指摘した。

 国連によると、水系感染性のリスクにさらされているのは、アフリカで推定1億6400万人、アジアで1億3400万人、中南米で2500万人に上るという。

 国連の報告書は、産業廃棄物や農業で使用される肥料や農薬の流出物が、地表水への廃水増加を引き起こしていると指摘している他、未処理の汚水廃棄も増加しているとした。

 健康リスクのある重度の汚染は、南米の河川全体の約4分の1に影響を及ぼしていると考えられ、アフリカでも最大で4分の1、アジアでは約半分に及ぶとされる。

 報告書によると、一部の国では人口の最大90%が飲料水を河川や湖沼に頼っているという。また淡水漁業では、2100万人の漁師の他、3850万人が関連職に従事しているが、これも汚染によって危機的状況に置かれている。塩分汚染による農産物への悪影響も指摘された。(c)AFP