【8月30日 AFP】ジカウイルスがメスの蚊から卵やボウフラに垂直感染するとした研究論文が29日、発表された。研究者らは、成虫の駆除のみでは、対策が不十分だと述べている。

 米テキサス(Texas)州にあるテキサス大学医学部ガルベストン校(University of Texas Medical Branch at Galveston)の研究チームは、デング熱や黄熱の場合と同様に、ジカウイルスでも垂直感染が起きるのかを調べた。

 研究では、蚊をジカウイルスに感染させ、1週間以内に生まれた卵を孵化させて幼虫を飼育。成虫となった時点で調べたところ、290匹中1匹でウイルスの伝播が確認された。

 論文の共同執筆者ロバート・テッシュ(Robert Tesh)氏は、「割合としては低いように思われるだろうが、熱帯の都市部にいるネッタイシマカの数を考慮すると、ウイルスを持つ成虫を駆除したとしても、一部のウイルスが生き残るためには十分な値だ」と述べている。

 論文は、米医学誌「アメリカ熱帯医学衛生学誌(American Journal of Tropical Medicine and Hygiene)」に掲載された。(c)AFP