【8月25日 AFP】過体重により、胃がんや消化管のがんの他、特定の脳腫瘍や生殖器腫瘍と診断されるリスクが高まる恐れがあるとする研究論文が24日、発表された。

 米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に掲載された国際研究機関による報告書では、過体重の人が罹患しやすいとされるがんの一覧に、新たに8種類が追加された。

 フランスに本部を置く世界保健機関(WHO)付属の「国際がん研究機関(IARC)」は2002年、結腸がんや食道がん、腎臓がん、乳がん、子宮がんなどは、過体重によりそのリスクが高まる可能性があると発表している。

 そして今回、胃がんや肝臓がん、胆のうがん、膵臓(すいぞう)がん、卵巣がん、甲状腺がんの他、髄膜腫として知られる脳腫瘍の一種や血液のがんである多発性骨髄腫などが新たに追加された。研究チームは、過体重とがんのリスクに関する論文1000件以上を調べた。

 報告書は、北米や欧州、中東の女性たちにみられるがんの約9%は、肥満に関連していると考えられるとしている。また、過剰な脂肪は炎症を促し、がんの成長を促進する恐れがあるエストロゲンやテストステロン、インスリンの過剰分泌にもつながると指摘している。

 研究チームは、長期にわたる体重増加の制限が、これらのがんリスクを低減させる一助となるとしている。(c)AFP