【5月26日 AFP】インドネシアのジョコ・ウィドド(Joko Widodo)大統領は25日、子どもが被害者の性犯罪者に対して、薬剤による去勢や死刑を含む厳罰を科すことを認めた大統領令を発令した。

 インドネシアでは先月、西部スマトラ(Sumatra)島で10代の少女が集団レイプされた末に殺害される事件があり、国民の間で性犯罪者に対する厳罰化を求める声が高まっていた。

 大統領令で認められた新たな罰則ではこのほか、子どもへの性犯罪で有罪となった者に対して、刑期を終えて出所した後も位置情報を知らせる発信機の着用を義務付けることなども定められた。

 ジョコ大統領は「子どもに対する性犯罪は子どもの生命を危険にさらすものであり、異常な犯罪だ」と強く非難。新たな罰則の狙いは「子どもに対する性暴力によって引き起こされた危機を克服することだ」と説明した。

 罰則は即時に発効するが、今後議会で撤廃される可能性もある。

 スマトラ島の事件では、学校から帰宅途中だった14歳の少女が10代の少年らに集団で性的暴行を加えられ、その後、裸で木にくくりつけられた遺体が見つかった。16~17歳の少年7人が今月、有罪判決を受けて収監されている。(c)AFP