【5月19日 AFP】抗生物質への耐性が上昇している問題で、世界の国が一丸となってこの問題に取り組むことができなれば、2050年以降に耐性獲得菌が原因で死亡する人の数が毎年1000万人に上る恐れがあるとする報告書が18日、発表された。細菌が耐性を獲得した場合、一般的な感染症も致死性の病気となり得る。

 英国政府が委託した「抗菌薬耐性についての検証(Review on Antimicrobial Resistance)」は、細菌が既存の薬剤への耐性を持ち、些細な傷や一般的な感染症から死に至る可能性がある「スーパーバグ」の発生と闘うための方策を示した。

 報告書は、家畜に大量投与される薬剤の削減、処方薬を必要以上に出さないための診断の向上、世界的な啓蒙活動などにより、抗生物質の過剰使用を減らせると指摘する。

 また、研究のための世界規模の基金設立や新薬開発への報酬などを通じて、新たな抗生物質の開発を奨励すべきとしている。

 対策費用は、10年間で400億ドル(約4兆4000億円)と推定されているが、これは悪化し続けるこの問題に対処しなかった場合にかかる費用よりもはるかに少額という。またこの費用をめぐっては、各国の保健予算や、抗生物質の研究に投資しなかった製薬会社に対する課税でまかなうことができるとしている。

 英国政府委託の調査を主導したのは、ブラジル、ロシア、インド、中国の4か国の総称である「BRICs」という言葉を初めて使ったことで知られるエコノミスト、ジム・オニール(Jim O'Neill)氏。同氏は、2014年に調査を開始して以降、耐性獲得菌が原因で死亡した人は100万人に上るとしている。(c)AFP