【4月28日 AFP】2100万人の人口に対し550万台の自動車がひしめくメキシコの首都メキシコ市(Mexico City)では、深刻な大気汚染により自動車の利用が制限されたことを受け、空気を汚さない電動スクーターや電動自転車の人気が高まっている。

 メキシコ市当局は先月、13年ぶりとなる大気汚染警報を発令。一時的な措置として、毎日の自動車交通量を20%減らす厳しい規制を開始した。

 これを受け、電動スクーター貸し出しサービスを展開する企業エコンドゥセ(Econduce)では、利用者数が1.5倍に増えたという。同社の電動スクーターは月額11ドル(約1200円)、30分当たりわずか50セント(約50円)余りで利用できる。自宅の近くで借りて職場近くで返却することが可能で、車の間をすり抜けて渋滞も回避できると好評を得ている。

 また、ある自転車販売店では、電気自転車の売上も倍増したという。バッテリーで動くモーターでペダルの負荷が軽減される仕組みで、最大時速は30キロ、1回の充電でおよそ60キロ移動できる。

 一方で、電気自動車も注目を集めているものの、充電ステーションなどのインフラ整備や減税措置の不足、高い価格を理由に販売数は伸び悩んでいる。(c)AFP