■研究の「大きな影響力」

 米ユタ大学(University of Utah)のクリストファー・グレッグ(Christopher Gregg)助教(神経生物学・解剖学・人類遺伝学)は、今回の研究における規模の大きさが、「母親の年齢や社会・経済的地位などの潜在的な外的影響(交絡)因子をより効果的に排除するための」助けになると指摘。結果は「大きな影響力」を持つと評した。同助教は、今回の研究には参加していない。

「妊娠中の女性にタバコは禁物という考えは十分に確立されているが、今回の研究結果は、妊娠中の喫煙が、子どもの小児期まで残存する永続的な影響をゲノム(全遺伝情報)上に残すことを明らかにするとともに、これらの影響を特に受けやすいゲノム内の位置と遺伝子を特定している」とグレッグ助教は説明した。

 米ノースカロライナ州立大学(North Carolina State University)のマイケル・カウリー(Michael Cowley)助教(生物科学)は「これらの影響が疾病リスクの増加に実際に関与しているかどうかは、今回の研究からは判断できないが、喫煙に関連する後成的変化の機能的関連性が今回実証されたことは重要だ」と指摘。「喫煙に関連する後成的変化と子どもの疾病との間の因果関係を証明するには、さらに研究を重ねる必要があるが、今回の研究はそれを構築するためのしっかりとした基盤を提供している」と述べた。(c)AFP/Kerry SHERIDAN