【3月27日 AFP】ベルギーの検察当局は26日、国内の放射性物質研究所の警備関係者が24日に自宅で死んでいるのが見つかった事件は、テロとの関連はないと発表した。現地メディアが伝えた。

 大手民間警備会社G4Sの従業員だったディディエ・プロスペロ(Didier Prospero)氏は24日、同国南部フォワシャペル(Froidchapelle)にある自宅の浴室で死亡しているのを学校から帰宅した同氏の3人の子どもによって発見された。プロスペロ氏は銃で4発撃たれており、飼い犬も殺されていた。

 プロスペロ氏はベルギー・フルリュス(Fleurus)の放射性物質研究所の警備責任者だったという。メディアは当初、同氏は原子力発電所で勤務していたと報道していた。

 ベルギーのベルガ(Belga)通信は、シャルルロワ(Charleroi)市の検察当局者がこの事件とテロ計画との関連性を「正式に否定した」と伝えた。捜査は一般の刑事事件として行われており、テロ専門家は加わっていないという。

 またプロスペロ氏の勤務先の立ち入り許可証が紛失したとも報道されていたが、これについても検察当局は否定したという。ベルガ通信の報道内容についてシャルルロワの検察当局から直接の確認は取れていない。

■核テロへの懸念

 ベルギー警察は昨年12月、同11月にフランス・パリ(Paris)で起きた同時テロ事件の捜査で、ベルギーの原子力当局の高官の行動を撮影した10時間におよぶ動画を発見している。

 パリでの同時テロ事件に関与した容疑でベルギー国内で勾留されているモハメド・バッカリ(Mohamed Bakkali)容疑者の住居で発見されたとされるこの動画は、原子力当局の高官の自宅の外の茂みに仕込まれていたカメラで撮影されていた。

 ベルギーのある新聞は、カメラを回収したのは、今週ベルギー・ブリュッセル(Brussels)で起きた連続テロで自爆したブラヒム・バクラウィ(Ibrahim El Bakraoui)容疑者と弟のハリド・バクラウィ(Khalid El Bakraoui)容疑者だったと報じている。(c)AFP