■自然分娩児が持つ細菌の一部獲得に成功

 今回の研究で、研究チームは、帝王切開で生まれた新生児に、母親の膣から採取した体液を塗布した。

 研究チームは、この新生児を30日間観察した結果、自然分娩児が持つ細菌の全部ではないが一部が、新生児の体内に取り入れられていることを発見した。

 母親の体液を塗布されなかった帝王切開児は、マイクロバイオームとして知られる体内の細菌叢(さいきんそう)が大きく異なっていた。

 だが、この塗布治療が長期的な保護効果をもたらすかどうかはまだ不明だ。

 論文主執筆者のマリア・ドミンゲス・ベロ(Maria Dominguez-Bello)氏は、声明で「現在、米国の新生児の3分の1が帝王切開で生まれており、医学上必要な数の2倍に上っている状況においては、新生児の誕生時のマイクロバイオームが将来の疾患リスクに影響するかどうかということが、ますます差し迫った問題となっている」と指摘している。(c)AFP