【12月21日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が「万単位」の盗難旅券(パスポート)を入手した疑いがあり、戦闘員を難民に偽装して欧州に送り込むため使用する恐れがあると、独紙ウェルト日曜版(Welt am Sonntag)が20日、報じた。

 同紙が西側情報筋の話として伝えたところによると、ISはシリアやイラク、リビアで支配下に置いた地域で盗難旅券を入手したとみられる。これらの旅券は、欧州連合(EU)諸国に渡航するテロ志願者らに発給されている恐れがあるという。

 同紙はさらに、ISが偽造旅券を資金源として利用しており、闇市場で1冊当たり最高1500ユーロ(約20万円)で売りさばいているとも報じている。

 欧州各国当局はかねて、偽造旅券で入国してくる難民たちの中に脅威が潜んでいると警告していた。仏パリ(Paris)で11月に起きた同時テロでは、スタッド・ド・フランス(Stade de France)競技場の外で自爆した男のうち2人が、シリアの偽造パスポートを携帯していたことが分かっている。(c)AFP