【12月19日 AFP】薬物の過剰摂取による米国での死者数が、昨年は過去最多の4万7000人に上ったことが18日、米疾病対策センター（CDC）が発表した報告書で明らかになった。増加の主な原因は鎮痛剤の過剰な処方やヘロイン摂取の増加だという。

　CDCが発表した「週間疾病率死亡率報告（Morbidity and Mortality Weekly Report）」によると、鎮痛薬の乱用など、オピオイドによる死者数は過去1年で14％増えたという。

　薬物過剰摂取による全死者数のうち6割はオピオイドが関係していた。オピオイドは鎮痛薬の錠剤や街角で取引されるヘロインに含有のアルカロイドやその化合物だ。

　同報告書によると、昨年の薬物過剰摂取による死者数は、自動車事故による死者数の約1.5倍だった。

　米国では、薬物過剰摂取による死者数は2000～2014年の間で50万人近くに上り、またオピオイドの過剰摂取の割合も2000年以降、3倍に跳ね上がっている。

　処方されるオピオイド系鎮痛薬とヘロインの作用は似通っており、薬物依存症者が処方薬を入手できない場合に安価で入手しやすいヘロインに手を出すケースが多いという。(c)AFP/Kerry SHERIDAN