【10月28日 AFP】元料理人のアダム・スミス(Adam Smith)さんは、英リーズ(Leeds)のカフェで廃棄処分される運命の食べ物を使った料理を提供し始めた時、世界の食品廃棄と戦うという大きな目標を掲げた──。

「最初から世界中の人々に食べ物を供給することを目指していたし、実際、そうするつもりだ」と意欲的に語るヨークシャー(Yorkshirev)生まれのスミスさん。自身が創設した「リアル・ジャンクフード・プロジェクト(Real Junk Food ProjectRJFP」の今後の世界的な発展も視野に入れて活動を続けている。

 このプロジェクトは、リーズの貧困地区アームリー(Armley)のコニュニティー・センターで2年前に始まった。現在では、オーストラリアやフランス、韓国、米国、ナイジェリアなど全世界に約120の提携カフェを持つまでになった。

 インタビュー当日、食品廃棄に対する意識を高める目的で開催されたイベントから戻ったばかりのスミスさんは、「僕たちが真面目な団体だということを人々が認識し始めている」とコメント。当日のイベントでは、ごみ箱に捨てられるはずだった食材を使った料理が英国の議会議員らにふるまわれた。

 賞味期限切れや、何らかの理由で販売できずに廃棄されてしまう食べ物を回収し、完璧な料理に変える──プロジェクトの構想は至ってシンプルだ。スミスさんによると、2013年12月のプロジェクト開始以降、これまでに約200トンの食品ロスを阻止したという。

 国連(UN)によると、毎年、世界で生産される食料の約3分の1に相当する約13億トンが無駄になったり、廃棄されたりしている。

 英国では、消費期限が過ぎた食品を販売することは法律違反となるため、RJFPに参加するカフェでは、客が支払いたい金額だけ支払う「pay-as-you-feel」)方式を採用している。スミスさんによると、これはほとんど寄付のようなものだという。