【10月26日 AFP】欧州連合(EU)は25日、欧州に押し寄せている記録的な数の移民への対応をドイツやバルカン諸国の首脳らと協議する会議を開き、ギリシャを起点とするバルカン諸国内の移動経路に沿って計10万人を一時的に受け入れる施設を設置することで合意した。

 欧州委員会(European Commission)のジャンクロード・ユンケル(Jean-Claude Juncker)委員長が会議終了後の26日に発表したところによると、ギリシャ国内と、マケドニアやセルビアなどのバルカン諸国に、それぞれ計5万人を一時収容する施設が設置される。

 欧州には今年、67万人以上の人々が流入しており、その多くはシリアやイラク、アフガニスタンの戦火を逃れた人々だ。EU域内の東端に位置する国々の多くは、バルカン諸国を経由して流入する大量の移民の受け入れに苦慮しており、ハンガリーがセルビアに接する国境検問所で取り締まりを始めた他、クロアチアでは移民の入国を一時的に停止している。

 ユンケル氏は記者団に対し、会議では「人々が雨や寒さを耐え忍ばなくてもすむように、実用的で運用可能な」17項目の対応策について合意に至ったと述べた。

 一時収容施設は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の支援を受けて設置される予定で、避難所の提供や移民らの登録・管理向上のために不可欠なものとなると、ユンケル氏は述べている。(c)AFP