■「植物エストロゲン」がカギ?

 農業用殺虫剤や汚水処理設備が、魚やカエルの内分泌系に乱れを発生させる可能性があることが、これまでの研究で判明していた。

 今回の最新研究では、カエルの雌雄の別に影響を及ぼすことに関して、それ以外の要因が働いている可能性があることが示唆されている。この要因として、舗装された私道や車道からの水の流出や、芝生を常に手入れされた状態にすることなどが挙げられている。芝生の刈り込みを定期的に行うことで、天然の植物エストロゲンを含むクローバーの成長が促される。

 研究チームは、汚染物質の明確な発生源については調査しなかったが、低木、庭園、芝生などがある地域でエストロゲン濃度が高くなるのはなぜかや、造園作業とカエルの雄雌の出生比率との間にこれほど強い相関関係が存在するのはなぜかなどを理解するためには、さらに研究を重ねる必要があるとしている。

 ランバート氏は「郊外住宅地はカエルにとって、農場や下水処理場ににほぼ匹敵するものだということを、今回の研究は示している」と話している。

「今回の研究では、これに関して考えられる原因については調査していないが、その理由の1つは、芝生(の手入れ)や造園と内分泌かく乱との間に潜在的な関連性が存在することが、全くの予想外だったからだ」(c)AFP