【7月24日 AFP】インド洋(Indian Ocean)の島国モルディブで23日、外国人の土地所有を認める憲法修正案をアブドラ・ヤミーン(Abdulla Yameen)大統領が承認した。これを受け、中国がインド洋の要所に位置するモルディブで積極的な土地買収を進めるのではないかとの懸念が出ている。

 ハネムーン先として高い人気を誇るモルディブには既に多数の外国企業が進出し高級リゾート施設を展開しているが、これまで全ての土地はモルディブ政府から最長99年間の貸借契約を結ぶ形態を取っていた。

 修正案の下では、外国人は10億ドル(約1240億円)以上を投資した土地について、その土地の70%が埋め立て地であることを条件に、無期限で土地所有が認められる。

 修正案は22日にモルディブ議会で賛成70、反対14の賛成多数で可決されていた。

 しかし野党からは、東西航路の中間に位置するモルディブに中国の軍事基地建設を許すことになると懸念する声が上がっている。既にインドが自国の勢力圏への中国の進出に警戒感を強めており、AFPの電話取材に応じたモルディブ野党MDPのエバ・アブドゥラ(Eva Abdulla)議員は、モルディブがインドと中国の権力争いの最前線になりかねないと警鐘を鳴らした。

 これに対し、アハメド・アディーブ(Ahmed Adeeb)副大統領は、憲法修正の目的は外国投資の拡大だと説明。「中国だろうとサウジアラビアだろうと、他国に土地を売ることはない」と述べ、中国の進出を不安視する見方を否定している。(c)AFP/Amal JAYASINGHE