【7月22日 AFP】欧州人権裁判所(European Court of Human Rights)は21日、イタリア政府が3組の同性カップルに婚姻あるいはその他の公式なパートナー関係を認めなかったことは人権侵害にあたるとする判決を下した。

 イタリアは西欧主要国の中で唯一、同性カップルを公的に認知する制度がない。同性カップルに結婚に準じた権利を認める「シビルユニオン」を合法化する法案は現在、上院通過に難航している。

 3組のカップルは、政府から性的指向に基づく差別を受けたと主張し、私的および家庭生活の権利尊重を定めた欧州人権条約(European Convention on Human Rights)第8条の侵害にあたると訴えていた。

 欧州人権裁判所はこの訴えを認め、イタリア政府に対し、原告に1人当たり5000ユーロ(約68万円)の損害賠償と、総額1万4000ユーロ(約190万円)の訴訟費用を支払うよう命じた。

 イタリアでは、ごく少数の自治体が同性カップルのシビルユニオンを認めているが、これには遺産相続権などの保証は一切含まれていない。(c)AFP