同州の麻薬市場を数年間研究してきた、ノバ・サウスイースタン大学(Nova Southeastern University)の疫学者ジェームズ・ホール(James Hall)氏は、「フラッカは非常に毒性が高く、効果が長く続くよう、そしてより中毒性が高まるよう意図して作られた可能性もある。その方が利益が出るからだ」と指摘する。

 昨年9月に初めてフラッカがブロワード郡の街路に登場して以来、この麻薬の摂取によって同郡で亡くなった人は34人に上る。

 フラッカがもたらす深刻な悪影響は数多い。当局によると、フラッカは他の高価な薬物よりも摂取による異常行動が早期に出ることが多いという。

 心臓の障害や攻撃的な行動や妄想、そして多くの場合精神障害を生じさせる恐れがあるほか、摂取者の体温が40.5度を超えて上昇することもある。

 ホール氏によれば、「(薬による)犠牲者たちは着ていた服をちぎり、体に火がついてしまったと考えることもある。自分を殺そうとする他人や幻覚で見た動物に追われていると思い込み、ひどい興奮状態で路地を走り回ることもある」という。

 同郡フォートローダーデール(Fort Lauderdale)警察のダナ・スウィッシャー(Dana Swisher)氏は、低価格ゆえにフラッカは、主にホームレスなど貧困にあえぐ不安定な社会階層に属する人々の間でまん延していると指摘する。

 当局は流通ルートの遮断に取り組む一方、ある合成麻薬を取り締まれば、また別の麻薬が取って代わるというサイクルが今後も続くとみて警戒している。(c)AFP/Diego URDANETA